‘いつか夢に見ていた青春が 僕らのなかにあったんだ’

 

もし、ロックンロールが魔法なら。
そして、一瞬しかかからないものだとしたら。

 

 

1st mini album「サイダーのしくみ」

 

もともとソロで音楽活動をしていたフロント3人が集まってできたサイダーガール。

バラバラの3人が集まったはずの音は、不思議なことに、1つの集合体になった。

これは、サイダーガールとしての初めての音源。

7曲入りのアルバムにあるのは、

バンドの魔法のようなものだ。

 

音楽性はどれも違う音が、1つの矢印の先を向いていて、

「ここなら出来るかもしれない」と、たぶんバンドの全員が思っている。

パチパチと弾けるメロディが、染み込むように身体の中に入ってきて、いつの間にか僕を軽くする。

 

期待や希望。冒険心や憧憬を込めて放つ曲たちが、本人たちの想像を超えてまっすぐ飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

妙な高揚感だ。

鍛えていたバッターが初めての打席に立っているのに、

もう観客は、「ボールはどこまで飛んでいくのか」に集中している。

まだ、打てると決まったわけではないのに、だ。

 

 

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‘どこでも行けると信じてたなら どこにも行けないはずはない’

plenty、解散において。

 

どうせわからない。

わからないから、理解されないから、言うことでもない。

そう思っていても、どうしても声に出したくなった。

だれからも必要とされない夜、傍にいてくれた音楽のこと。

 

 

 

拝啓。皆さま

 

 

 

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‘暮らしの中に 何を見つけるだろう  演技のような笑顔 追われるシグナル’

 FoZZtoneが唄う、‘日常’について。

 

昼過ぎの斜陽が傾いて、僕がいつも座る座席には少し眩しい陽が差してくる。

 

季節が変わった、そう思うといつも聴く曲が、僕にはいくつかある。懐かしくて暖かくて、少し苦い。もう夏が迎えにきたバスの中で、大きく吸い込んだ息が体の中に溶けて混ざっていく。

 

 

 

暮らしの外に、非日常を探すけど

少し遠くていい 眺める景色の中に / 情景輻射 

 

 

当たり前にそばにある。FoZZtoneもそんなバンドだった。

日々の中にある、大げさでは決してない、だけどなくてはならない。そんな僕らの「普通のこと」を「特別」にしてくれた。

 

だけどそれは、すこしあとになってわかったことでもあった。あのとき僕らはまだ、何が特別かなんてわかってなかったのかもしれない。

 

特別な、素晴らしい、いつもの日常。

 

 

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‘傷ついた心が 少しは癒えたなら 軋むドアを開け 旅立った’

悲しみを連れていく

 

表立って歌われていない。その悲しみはいつも彼らの中にいた。落ち込むでもなく、取り乱すこともなく、ただ傍にいる。

 

September wind takes my hurts away 

"9月の風は私の心を連れて行く"

October rain washes my sins away 

"10月の雨は私の罪を洗い流してくれる"

I can feel tears streaming down my face      

"私の涙が頬を伝って落ちるのがわかる"

I'll never fear falling down  

"私は決して不安に潰されはしないだろう" 

Hey deadman

"なぁ デッドマン" 

/N.1 the novemberist

 

 

Dear Deadman

 

 

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‘ここから見えないほど 汚れた昨日 言葉にできないことの繰り返しだ’

 04 Limited Sazabysが鳴らす、‘僕だけの’感覚。

 

 

 

 

聞く側が、鳴らす側になる。

 

一見よくあり、シンデレラストーリーにも見えるソレは、現実ではほとんど起こらない。

なぜなら、夢を叶えるためにしなくちゃいけないことが、多すぎるから。

自分の憧れに挑む勇気や覚悟。

加えて、夢の世界が、夢のままであるわけがない、と考える人間が、つまりは足を引っ張ってそうさせまいとする人間が、多く存在しているからだ。 

 

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