音楽文

‘暮らしの中に 何を見つけるだろう  演技のような笑顔 追われるシグナル’

FoZZtoneが唄う、‘日常’について。 昼過ぎの斜陽が傾いて、僕がいつも座る座席には少し眩しい陽が差してくる。 季節が変わった、そう思うといつも聴く曲が、僕にはいくつかある。懐かしくて暖かくて、少し苦い。もう夏が迎えにきたバスの中で、大きく吸い込…

‘傷ついた心が 少しは癒えたなら 軋むドアを開け 旅立った’

悲しみを連れていく 表立って歌われていない。その悲しみはいつも彼らの中にいた。落ち込むでもなく、取り乱すこともなく、ただ傍にいる。 September wind takes my hurts away "9月の風は私の心を連れて行く" October rain washes my sins away "10月の雨は…

‘ここから見えないほど 汚れた昨日 言葉にできないことの繰り返しだ’

04 Limited Sazabysが鳴らす、‘僕だけの’感覚。 聞く側が、鳴らす側になる。 一見よくあり、シンデレラストーリーにも見えるソレは、現実ではほとんど起こらない。 なぜなら、夢を叶えるためにしなくちゃいけないことが、多すぎるから。 自分の憧れに挑む勇…

‘パレードの中 君は踊る 僕はもう なにも 君に’

the cabs その完成された美について 鋭くて柔らかなメロディー、その隙間の歌詞、そして対峙するリズム。 一見とっつきにくいその独自の変拍子は、とって付けたように捻り出したものではなく、彼ら自身から滲んでくるもの。 ギターとドラムを初めて合わせた…

‘すぐに何かに負けて涙流す 君と僕は似てるな’

サカナクション ‘DocumentaLy’と、Mr.Children ‘深海’ に住むシーラカンス。 サカナクション/ドキュメンタリー。 アルバム前半の内省的でありながら苦悩し考え、迷いながらも問い、答え続ける姿は本当に美しい。 独自のポップネス、ルーツを大切にそっと忍ば…

‘いつも いつも 僕らはまだここにあるさ’

名盤。GrapevineがLIFE TIMEに込めた祈り 華々しくデビューを飾ったようにみえた。シングル「スロウ」がJPOPランキングで4位に食い込み、突如、脚光を浴びることになったグレイプバイン。 それは恐らく、彼らにとって予想外だったんだと思う。 自分たちが求…

‘見覚えのない星がバカに目立つ夜だ 珍しく口を開いた君が言った’

旅立ちの夜と聞いてなにを思い浮かべる? 荷物をいっぱいにつめこんだリュック。お気に入りの本、トレードマークの帽子。小さく見えた自分。これから見ることになる毎日にワクワクしながら、靴を履いた瞬間、なんでか急に心細くなったこと。 そこから何かが…

‘描いた夢のまま 静かに 浮かんで また消えてくのさ’

大それた「夢」なんて持っていなかった。 でも流れ星に願いを託したりするほど吹っ切れてもいなかった。 諦めていないはずなのに、確かなものは無かったんだ。 それでも憧れはずっと消えなかった。

‘さよなら ありがとう 幸せになってね’

きのこ帝国「ロンググッドバイ」にあるさよならと、最新作「猫とアレルギー」における別れの違い 根底にあったさよならは、バンドの原型、きのこ帝国というパズルの一つを成すものだと思う。それは初期のアルバムにも大いに漂っている。どうしようもない、と…

自己紹介

少年のやることは全て、正しくないんだと言われ育った。 いつも自信がなかった。 何をやっても怒られたんだ。 怖くてビクビクしていた。 誰かに否定されるのを嫌ったから、無難な選択をするようになった。 顔色を見るのがとてもうまくなったんだ。 家以外で…